地方ならただで家が手に入る? ”0円で空き家をもらって東京脱出”

 

0円で空き家をもらって東京脱出!

0円で空き家をもらって東京脱出!

 

 ■ 簡単なまとめ

 

東京で漫画を描きながらバイトをして生計を立てていた筆者が一念発起して尾道へ引っ越して、タダでもらった空き家を修理したり、地域で新しく仕事を始めたりする移住体験記。

 

特に知人がたくさんいるわけでもない、尾道で四苦八苦しながら家を改修する様子や、尾道に移住したからこそ変わった時間の使い方など、田舎への移住がどんなものなのか、その一部を漫画で視覚的にもわかりやすく描いている。

 

■ 感想 自分にあった生き方は?

 

著者は東京での生活に言葉にできないような焦燥感のようなものを感じており、最終的にエイヤ!っと当時付き合っていた彼女(現在では結婚して奥さんになったそう)と尾道への移住を決めた、

 

実際に移住してみると住むことになった家は東京では住めないくらい広く見晴らしのいい場所であった。小さい坂道しかないから車がはいれないのだけども。

 

ちなみに家自体はタダでもらったが行政上の手続きで30万弱かかったそう。(金額はあいまい)

 

長らく人が住んでいない家は傷んでいるところも多いので著者と奥さんは、NPOの助けも借りながら漆喰を塗りなおしたりトイレを新しくしたりとDIYで家を自分が住みやすいようにリフォームしていく。

 

同時にNPOの人から仕事なにする?と言われかねてから自分がしたかった卓球場を作ったりゲストハウスの管理人をやったりと地域に少しずつ根を下ろしていく。

 

その生活は間違いなく東京ではできるものじゃなくて、おそらく著者は東京よりはるかくに自分の好きなように生きているのではないだろうか。

 

多分著者自身は尾道に移住したらそんな生活ができるとおもって移住したわけではないと思うが、結果として自分が生きたいように生きられるようになったのだろう。(東京での生活がそうでなかったとは明言していないが)

 

自分が生きたい人生とはどんなものでどこで、何があって、誰がいて、どんな人たちがいて、そんな自分の人生に必要なものを著者に感情移入しながら読んでみると自分の今の生活に足りないものが見えてくるかもしれない。

 

ちなみに、日本の空き家率は年々上昇しており、そのためこの著者のように家をただで手に入れられる地域も少なくないそう。

地域によるが可処分所得は東京よりもそうゆう地方に移住した方が多い例もあるようなので、東京で消耗するくらいなら移住した方がいい場合も少なくないかもしれない。

 

 

ゆるく生きる ”ニートの歩き方”

ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法

ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法

■簡単なまとめ

日本で一番ニートであった(現在は35歳以上になったのでニートでなくなった)著者が、ニートとして定収入でも楽しく生きるための方法や考え方を記した本

現代日本における、いわゆる”普通”の生活が向いていない著者が色んな”普通”のことを諦めつつも自分に必要なことを考え、会社のような社会とはほとんど関わらなくても日々を楽しく生きる。その方法や発想、実践した感想、現代社会への緩い考察などを含んでいる。

■感想 こんな生き方もあるんだ

同じような本で依然moneyless man を紹介したが、こちらはお金をわずかでも稼いでいるし全然活発な感じはしない。むしろいかに楽に生きるかに焦点を合わせてる。ただ共通している点もあって、それは他人とのコミュニケーションやそのネットワークを重視しているという点だ。

著者は京大を卒業した後、会社で少し働いたのだがやはり働くということは自分に向いていないということを実感するだけだったという。

お金を稼ぐために働いて、でもそれでストレスを感じて時間がなくなって、ストレス解消のためにお金を使ったり、時間なくてごはんを作る余裕がないからコンビニでごはんを済ませて栄養バランスの悪い食事になったり。

そんな、おそらく多くの人が感じている違和感に、著者は特に耐えられず、結果仕事をやめて働かなくてもいい方法を模索する。
自分の人生にとって必要なものはなにか、最低限これがあればハッピーというものはなにかを考え実行に移す。

著者のこの本で語られる生き方はまさにニートそのままで、目を通しながら羨ましいと思ってしまったのだが、それはおいといて、何よりも驚いたのはこんな生き方があるんだと気づかせてくれることである。

現在の日本では、あくまで個人の感想ではあるが、生き方のロールモデルが本当に少ないと思う、大学や高校をでてどっかに就職して働いて結婚して家族を養う。

多くの人が思い浮かべる幸せのロールモデルはこんなものかも知れない。

だが、この本ではそんな手あかにまみれた生き方以外の方法があるのだとまざまざと見せつけてくれる。

じつはこの生き方はのロールモデルや考え方は結構就活の時に支えになった。
というのも別に就活失敗しても生きるための算段がついてしまうので、変に力まず、自分の中で保険ができた状態で就活に望めたのだ。

もちろんこの本で描かれているような生き方をよしとする人、出来ない人ともに生きるだろうが、これからの日本社会でワーキンプアになるくらいならこんな感じでゆるくいきれるならそれでいいんじゃないかと思える。

そんな観点で就活生や進路に迷ってる社会人にもおすすめの一冊。

ちょっと寝不足で書いたら、話がまとまらなくなってしまったのでいつか書き直す。

睡眠、不思議な現象 ”よく眠るための科学が教える10の秘密”

 

よく眠るための科学が教える10の秘密

よく眠るための科学が教える10の秘密

 

 

■簡単なまとめ

 

私たちは人生の3分の1を寝て過ごすにもかかわらず、睡眠についてあまりに無知である。

私たちは何のために眠るのか?寝ないとどうなるのか?よく眠るためには?睡眠学習って漫画とかで目にするけど可能なの?明晰夢ってほんとにあるの?

 

睡眠に関する様々な疑問について現在の科学でわかっていることをまとめた睡眠学(といっていいのだろうか?)の教科書的な一冊。

 

ちなみに、ラットを使った実験だと睡眠が与えられなかったラットは栄養状態などに問題ないにもかかわらずわずか1ヶ月半程度で死んでしまったらしい。死因はわからない。

 

不眠マラソンという寝ずにどれだけ起きてられるのかを競うギネス記録が以前あったが、挑戦者が不眠マラソン後ことごとくうつ病や怒りっぽくなるなどの人生に深刻なダメージを与える疾患に悩まされたことから現在では、不眠マラソンはギネスからはずされている。

 

この二つの例から睡眠がいかに大事なものなのかわかるだろう。ある実験を通して、睡眠の多寡によって生産性に違いが見られることもわかる。本書では他にもユニークな実験の結果などから得られた最新の睡眠に関する知見が得られる。

 

睡眠にかんして悩んでいる人のみならず、従業員の生産性を挙げたいと考えてる管理者の方にもオススメの一冊

 

■感想 ただ眠るのではない、よく眠るのだ。 私の睡眠改善記

 

本書を手に取ったきっかけは私が常に不眠気味だからなのだが、本書は睡眠に悩みを抱えている人のみならず睡眠をより有意義にしようと思う人にも有用である。

 

睡眠が人生に与える影響は私たちが考えているよりはるかに大きく、睡眠が足りないためにうつ病になったり、ボケが進むことを示唆する研究も多くある。

 

たいていのものがそうであるように睡眠にも量と、質の両方があり両方がそろってないと体に不調をきたす。いきなり両方を改善するのは難しいので本当に睡眠不足で困っているならばまずは、薬などで量を確保するのが大事かもしれない。

 

かくいう私も本当につらいときは休みをもらって、薬を飲んでずっと寝てた。ともかく寝た。そのするとまったくやる気がなかった状態から徐々に何かをやろうという気持ちが芽生え、軽い運動をはじめ、友人と御徒町にある燕湯という銭湯にいきヒートショックプロテイン反応を起こし、自律神経をリセットし寝る。するとその日の朝は非常にぐっすりと眠れ活発に活動できる。これを繰り返しながら私は睡眠を改善し(つっても明らかに足りないときに昼寝をしたり、暑いお風呂に入ったりとかだが)徐々に日常生活に戻っていった。

 

人によって眠れない原因は様々である。私の場合は鼻炎と自律神経の失調だったらしくこの二つの改善のためにまいちにヨーグルト食べたり、日の光浴びたり、運動したり、暑いお風呂にい入って冷や水頭からかぶってまた暑いお風呂に入ってといったことを行ったらうまくいった。

 

ただ個人の知識では、何が問題なのか把握するのは難しい。自分の睡眠をみなすためのひとつのコーチとして、本書は役立つでしょう。

 

ちなみに私はこれ以外にも睡眠に関する本を読んで、医者と相談した上で、何をやるか決めました。

本当にまずいときは迷わず医者に行きましょう。

 

圧倒的に止めない英文がなくなる ”英文解釈教室”

 

英文解釈教室 改訂版

英文解釈教室 改訂版

 

 ■簡単なまとめ

長らく駿台予備校にて人気講師として英語を教えてきた著者が英語を読むときの頭のはたらきを説明し、英文を直読直解するための方法について書かれた本。

 

いわゆる解釈系の本の中の名著でおそらく日本で初めて、英語を読むときの頭の働きを論理的に記した本であろう。著者は英語学ぶには理解が半分、慣れが半分といっており、この本で理屈を理解したら読みたかったペーパーバックなどを読み、この本で学んだことを実践することを推奨している。

 

受験参考書で20年前に書かれた本であるため例文がすごい難しい、現代ではこのレベルな難解な英文はまずお目にかかれない。

 

■感想 私の英語力の基礎を作っただけでなく、言語化の重要性を教えてくれた

 

受験時代に5週くらいしたのに毎回新しいことが出てきた。それくらい内容が詰まっており、やれば力の付く古典的な名英語学習本。今でも一見してわからない分を構文的に分析することで理解することは少なくない。

 

が、著者の進めるように洋書を読んでいくうちに構文を分析する頻度はどんどんと減っていった。現在家庭教師のバイトで論理的に英文の読み方を説明できるのは間違いなくこの一冊のおかげ。

 

大学生になってからすごいと感じたことは、言語理解プロセスというそれまでブラックボックス的に個人の経験などから行われていたプロセスを言語化することで、多くの人が同様のプロセスから学び言語理解を可能にした点である。

 

この非言語的な知の言語化は今日のあらゆる場面で重要である。英語の分野で言えば自動翻訳をにらんだアルゴリズムを組み立てるのに必要不可欠であるし(ちなみに同著者のの長文読解教室には、和訳の仕方という頁があるAIによる自動翻訳を意識してこの部分をもっとしっかりと行うべきといってる。先見のメイちゃんがありすぎ)、機械による業務の自動化が可能であるかどうかの基準の一つかがマニュアル化=言語化が可能化であるので、言語化というプロセスの重要性はますます増していくだろう。

 

本書は言語という人間が生きてくうえで重要な役割を果たす知の言語化を通してこの重要性やむずかしさを教えてくれる。

 

にしても今だとこの本に出てくるくらいの難しい英文なんてでないから、英語習得という意味だとオーバーワークだろうな......

問題はどこにあるのか? ”論点思考”

 

論点思考

論点思考

 

 ■簡単なまとめ

BCGで長年活躍していく著者がビジネス(に限らず)問題の本質を見抜く論点思考について記した本。

何か問題が起きると人はその現象に目を向けがちであるが、そうではなくその現象を生み出す問題の本質や、人が何かを頼むときになぜそれを頼むか?本当は何がほしくてそれを頼むかといった問題の本質についてまで考えをめぐらすことの有用性。またこの論点思考を身に着けるための方法などについて述べられている。

 

コンサルの仕事は結構研究に似ているところが多いので研究をうまく進める上での参考になるかなと呼んでみた。

研究のテーマを決める際の問題意識を育むという点で有用かもしれない。

 

■感想 本質をとらえることの難しさ

 

人間はどうしても目の前の現象に捕らえられがちでどうしても本質を見逃しがちであるし、その現象に対しての対処方法も誰の視点から行うかによって大きく変わる。

 

例えば、ある男の人が太っていることを理由に振られたとしよう。その人は太っていなければ!と思いダイエットを始めるかも知れないがおそらくやせて告白してもまた振られるだけであろう。

この「太っていることを原因にフラれた」という現象は、単純に女の人は男の人のことを、太ってるから嫌いなのではなく、性格かなにか、もしかしたら本人にすらわからない理由で男の人のことが嫌いなために起きるのである。

 

そのため、この男の人が彼女に好かれるようになるためにどうしたいいのか?と相談されたときにダイエットのみを進めても意味がない。単純にコミュニケーションの仕方がまずかったのかも知れないし、ダイエットではどうでもならないくらいのイケメンじゃないと付き合わないかも知れない。

もっといったらこの男の人は、彼女に好かれたいのでなく、彼女の持つ何らかの形質を持つような女性に好かれればいいのであって彼女に好かれることに重きを置かなくてもいいのかもしれない。

 

といった感じで、ある現象をどうにかしてほしいといわれたときにその現象の本質は何なのか?本当は何を解決してほしいのか?つまり論点を正確に捉えて打ち手を考えるべきなのである。

 

ただ、その論点を見つけ出すのってかなり難しいよね!だから訓練に時間がかかるという点についても言及されてる。日々の物事を円滑に進めたい人にオススメかもしれない。

 

 

あと、ひとつ印象に残ったのはコンサルがよく使うフレームワークロジカルシンキングについて論点を探る上では効果的でない場面があると言及していることである。まぁ、これらは道具なので結局道具をいかに使いこなすか?なぜその道具をつかうのかがわかってなければあまり意味がないということなのだろう。

 

「性格」を変える科学的アプローチ ”脳科学は人格を変えられるか?”

 

脳科学は人格を変えられるか?

脳科学は人格を変えられるか?

 

 

■簡単なまとめ

 

タイトルのとおり脳科学(と一言で言ってしまっていいのか?)とりわけ、人の人格に影響を与える楽観的、悲観的な性質がどこから来るのかに迫った一冊。

著者は楽観的になりやすい遺伝子を発見し、一躍有名になったオックスフォード大学のエレーヌ・フォックス。

 

いわゆる楽観的にある人物は悲観的である自分物よりも寿命が長いという研究結果や、脳を解剖学的、神経学的、分子遺伝子学的......と様々な観点から検証した研究結果がまとめられている。

 

自分が楽観的な人物なのか悲観的な人物なのかを見分ける方法や、少しでも楽観的になる方法など、最新の科学的知見からより、人生を肯定的に生きる(これが本書における楽観的の意味)道を探っている。

 

■感想 最新科学によって明らかにされるよりよく生きるヒント

 

この本を読んだきっかけは確かジュンク堂てたまたま手に取ってとかそんな感じだった気がするが、内容はかなり骨太の脳科学の本である。

 

まとめでも述べたようにある遺伝子を持つか否かで生まれつき楽観的である人とそうでない人がいるという発見がある一方、その遺伝子を十分に持っていない(いわゆるホモ型という意味だった気がするが)人でも楽観的な人がいるので、楽観的であるか否かは遺伝子だけでは決まらないということにも触れられている。

 

つまり後天的に環境要因によって人の人格は変えられる可能性を示唆している。

若干哲学的な問いも含まれていて、あと何回か読込む必要がある。

 

楽観的になるための方法は実は具体的にはあまり触れられていないのだけれど(最近研究が始まったらしい)、どうやら悲観的なこと1に対して、嬉しいこと、好ましいことが3以上あると、楽観的というか幸福でいられるらしい(記憶があやふや)。

 

セルフモニタリングに役立つ一冊といった位置づけだろうか。

たぶんいつか読み直してもういいかいレビューする。

友達はいらない(迫真) ”君に友達はいらない”

 

君に友だちはいらない

君に友だちはいらない

 

 

■簡単なまとめ

 

マッキンゼーを得てエンジェル投資家として活躍している著者がこれからの資本主義を生きていく「チーム」について述べた本。

 

SNSでウェーイってやってるような奴や、シェアハウスでズットモダヨ.....なんてなれ合っている友人なんていらない!

ある目的意識(大きなビジョン)を共有し、それを達成するために個人個人が自分の強みを発揮することにより成果を生み出していく。まるで攻殻機動隊の公安9課のようだ。

 

これからの時代にはそのようなチームが求められている。

 

またそのようなチームを作るための方法論や、チームの中で活躍するための心構えなどについて著者の豊富な経験と、知識に基づいて述べられている。

 

■感想 いや確かに”もう”友達はいらないのかもしれない

 

勘違いしてはいけないのは著者はなんというか、いわゆる上っ面だけを共有するような友達がいらないといっているのであって、困ったときに助けあったり、嫌われること覚悟で耳に痛い助言をしてくれるようなそういうちゃんとした友人については否定してない。

 

むしろ著者の言うチームメイトに求められているのは、そういうある目的のために困難をともに乗り越えられるような人であるのではないかと感じた。

 

つまり、人生を豊かにするという大きな目的の元ともに過ごすようなのは生涯の友人として大事にするべきなのだろう。友人の定義については本書では述べられていないけど。

 

この本を読んで率直に思ったのは確かにもうこれ以上新しい友人はいらないだろうな、ということである。

自分でいうのもなんだが、私は友人はあまり多くない。友人だと考える人、仮に今でにも連絡を取り合う人とすると多目に見積もってせいぜい20人である。

 

おそらく私の人生でこれから彼ら、彼女らのような友人はほとんどできないだろう。実際他大学院に進学してからできた友人は一人しかも自分の学科とは関係ないところであった留学生。

 

どうしてかというと今までの友人常に何らかの目的意識があって何かをするために集まった人ではなく、自分の生活圏内で頻繁に会う人の中で自然淘汰的に残った、気があう人たちであるからだ。

 

ところがこれからの時代は筆者のいうように特定の目的のためにプロジェクトのために集まり、目的達成のために各々が奮起し、目的を達成したら解散し、またそれぞれ別のプロジェクトに参加していく。すくなくとも私が働くことになる業種は間違いなくそういう働き方が求められる。

 

集団の起こりからして違うし、プロジェクトにもよるのだろうが、自然淘汰が起きるほどの余裕はないだろう。

実際、働きだすと大学までの濃い関係をもつ友人はできないといっている友人も少なくない。

 

そこでそもそもこれ以上友人は必要なのと?考えたときにいやすでに必要な分はいると素直に思えた。ありがたい話である。

 

だからこれからの人間関係は筆者のいうようなチームの一員として己の強みを発揮し一定の成果を出し続ける。そのようなコミュニケーションに重きを置いていく方が仕事が充実し結果人生にもいい影響を与えるのかもしれない。