問題はどこにあるのか? ”論点思考”
■簡単なまとめ
BCGで長年活躍していく著者がビジネス(に限らず)問題の本質を見抜く論点思考について記した本。
何か問題が起きると人はその現象に目を向けがちであるが、そうではなくその現象を生み出す問題の本質や、人が何かを頼むときになぜそれを頼むか?本当は何がほしくてそれを頼むかといった問題の本質についてまで考えをめぐらすことの有用性。またこの論点思考を身に着けるための方法などについて述べられている。
コンサルの仕事は結構研究に似ているところが多いので研究をうまく進める上での参考になるかなと呼んでみた。
研究のテーマを決める際の問題意識を育むという点で有用かもしれない。
■感想 本質をとらえることの難しさ
人間はどうしても目の前の現象に捕らえられがちでどうしても本質を見逃しがちであるし、その現象に対しての対処方法も誰の視点から行うかによって大きく変わる。
例えば、ある男の人が太っていることを理由に振られたとしよう。その人は太っていなければ!と思いダイエットを始めるかも知れないがおそらくやせて告白してもまた振られるだけであろう。
この「太っていることを原因にフラれた」という現象は、単純に女の人は男の人のことを、太ってるから嫌いなのではなく、性格かなにか、もしかしたら本人にすらわからない理由で男の人のことが嫌いなために起きるのである。
そのため、この男の人が彼女に好かれるようになるためにどうしたいいのか?と相談されたときにダイエットのみを進めても意味がない。単純にコミュニケーションの仕方がまずかったのかも知れないし、ダイエットではどうでもならないくらいのイケメンじゃないと付き合わないかも知れない。
もっといったらこの男の人は、彼女に好かれたいのでなく、彼女の持つ何らかの形質を持つような女性に好かれればいいのであって彼女に好かれることに重きを置かなくてもいいのかもしれない。
といった感じで、ある現象をどうにかしてほしいといわれたときにその現象の本質は何なのか?本当は何を解決してほしいのか?つまり論点を正確に捉えて打ち手を考えるべきなのである。
ただ、その論点を見つけ出すのってかなり難しいよね!だから訓練に時間がかかるという点についても言及されてる。日々の物事を円滑に進めたい人にオススメかもしれない。
あと、ひとつ印象に残ったのはコンサルがよく使うフレームワークやロジカルシンキングについて論点を探る上では効果的でない場面があると言及していることである。まぁ、これらは道具なので結局道具をいかに使いこなすか?なぜその道具をつかうのかがわかってなければあまり意味がないということなのだろう。