圧倒的に止めない英文がなくなる ”英文解釈教室”

 

英文解釈教室 改訂版

英文解釈教室 改訂版

 

 ■簡単なまとめ

長らく駿台予備校にて人気講師として英語を教えてきた著者が英語を読むときの頭のはたらきを説明し、英文を直読直解するための方法について書かれた本。

 

いわゆる解釈系の本の中の名著でおそらく日本で初めて、英語を読むときの頭の働きを論理的に記した本であろう。著者は英語学ぶには理解が半分、慣れが半分といっており、この本で理屈を理解したら読みたかったペーパーバックなどを読み、この本で学んだことを実践することを推奨している。

 

受験参考書で20年前に書かれた本であるため例文がすごい難しい、現代ではこのレベルな難解な英文はまずお目にかかれない。

 

■感想 私の英語力の基礎を作っただけでなく、言語化の重要性を教えてくれた

 

受験時代に5週くらいしたのに毎回新しいことが出てきた。それくらい内容が詰まっており、やれば力の付く古典的な名英語学習本。今でも一見してわからない分を構文的に分析することで理解することは少なくない。

 

が、著者の進めるように洋書を読んでいくうちに構文を分析する頻度はどんどんと減っていった。現在家庭教師のバイトで論理的に英文の読み方を説明できるのは間違いなくこの一冊のおかげ。

 

大学生になってからすごいと感じたことは、言語理解プロセスというそれまでブラックボックス的に個人の経験などから行われていたプロセスを言語化することで、多くの人が同様のプロセスから学び言語理解を可能にした点である。

 

この非言語的な知の言語化は今日のあらゆる場面で重要である。英語の分野で言えば自動翻訳をにらんだアルゴリズムを組み立てるのに必要不可欠であるし(ちなみに同著者のの長文読解教室には、和訳の仕方という頁があるAIによる自動翻訳を意識してこの部分をもっとしっかりと行うべきといってる。先見のメイちゃんがありすぎ)、機械による業務の自動化が可能であるかどうかの基準の一つかがマニュアル化=言語化が可能化であるので、言語化というプロセスの重要性はますます増していくだろう。

 

本書は言語という人間が生きてくうえで重要な役割を果たす知の言語化を通してこの重要性やむずかしさを教えてくれる。

 

にしても今だとこの本に出てくるくらいの難しい英文なんてでないから、英語習得という意味だとオーバーワークだろうな......